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ロフトの怪 2010年8月15日 at 8:52 AM

とある会社員(男性)が某北関東の都市に転勤を命じられ、東京からつい先日越して来た。

東京ではワンルームの小狭いアパートに暮らしていたが、地方の家賃相場は格段に安い。都内で生活していた時とほぼ同等の家賃で憧れを抱いていたお洒落なデザイナーズマンションに入居することができた。セパレートの風呂にオートロック、収納も多くロフトも付いている。

新しい生活にも慣れた2カ月程したある日の会社帰り、年齢の近い同僚と宅飲みをすることなった。
面子は男3人、女性2の計5人である。

夜も更けた頃、酒と仕事の疲れで眠気が襲い、男達は床に雑魚寝、女性2人はロフトで寝ること・・・・

しばらくして「う~」という、うめき声が家主の耳に届いて来た。

悪夢にでもうなされているのか、女性陣が眠っているロフトの方から声が聞こえる。窓から最も遠く離れているためロフトは部屋の中でも取り分け暗く、そちらの様子がよく見えないが何やらもぞもぞと動いている。

ロフトに居る一人は完全に熟睡しているようだが、もう一人の女性が具合でも悪いかのように唸り続けている。

「大丈夫?」と部屋の主が女性に声を掛けてロフトに近づいて驚いた。

女性は陰部を丸出しにして、ロフトの梯子(はしご)側に尻を突き出して這いつくばっていた。そして、苦しそうな声を上げている。

女性の素ぶりからすると部屋の主である彼の存在にまったく気がついていないようで、下半身を露出した姿で敷布団を力いっぱい握り「う~」と唸り続けている。しかも、糞便を漏らしており、女性の周りには悪臭が立ち込めていた。

助けを得るためにもう一人の女性を起こそうとロフトの奥の方に目をやると、女性は壁側で眠ってはいたが強い寒気でも感じているかの様にガタガタと震えていた。

何かまずいことが起こっているのは確かなようで、とりあえずロフトに登ろうと梯子に足を掛けると、小さな何かに足を掴まれた。それはとても小さい手で、ぬるりとして冷たい。

「えっ?」

と足元をみると小さな人型をしたものが足にまとわり付いていた。そして「オギャーオギャー!!」とすごい悲鳴ような声がこだました。

意識があるのはそこまでで、気づいた時には朝を迎えていた。

「この子寝ゲロしちゃってたからお風呂借りちゃったね」壁際でガタガタ震えていた女性が、もう一人の女性を介抱していた。うめき声を上げていた方は精気でも吸い取られたかのようにぐったりして横になっている。

「○○は漏らしちゃったみたいだからコンビニで下着買って来る。このことはみんなには内緒ね」そう家主に耳打ちして元気な方の女性は外に飛び出して行った・・・・

同僚達が帰り一人になると急に自分に部屋が怖くなった。

そして夜になると「オギャー!!」という声がロフトから聞こえて来きそうで、一人では部屋には居られなくなってしまった。

普段はロフトで寝ることはなく物置代わりにしていたが、確かにそこ上がると前々から陰気で寒々しい感じがしていた。しかし、自分の部屋でこんな恐ろしいことが起こるとは思いもよらなかった。

これは何かあると思い、近所の人に自分のマンションについて色々と聞き回った。すると恐ろしい事実が発覚した・・・・

数年前、その部屋では自殺があり、自殺者はお腹に子供を抱えた若い女性であった。

女性はロフトから子供産み落とし、その後自らの命も絶ったそうだ。

飲み会の晩、彼女とその子供の霊もしくはロフトに残る思いが年齢の近い同僚女性にのり移ったのではないだろうか?

とても住んで居られなくなり会社員はそそくさと引っ越していった。

招霊法 at 7:08 AM

○○山県での話。

若い男女(男2、女2)で夜にドライブに出掛けたのだが、行先は触ると凶事が起こるという首なし地蔵がある心霊スポット。

怖い噂がある地蔵付近を散策したが怪異は何も起こらず・・・・・

車に戻ると人気が無いのを良いことに、不謹慎にも性交を始めてしまった。

1組は後部座席に陣取り事を始め、もう片方は助手席で・・・
しばらくすると曇るフロントガラス越しに何やら覗く人影が視界に入った。

「覗きか!」とパンツを履き意気込んで車外に出ると、車のボンネット上には地蔵の頭部が置かれていた。

車内から見ると地蔵の頭部が人影のように見えたのだ。

かなり気味が悪かったが心霊スポットとして有名なので、探検に来た他のグループの悪戯と判断した。

「誰だよこんなことしたの・・・」

どけるために地蔵の頭部を持ち上げるとぬるりと滑った感触がある。見ると地蔵の首の辺りから赤い液体が滴っていた。

怒りが恐怖へと変わると、叫びながら頭部を草むらに投げ捨てて急いで車内に戻った。

すると半裸の状態の女二人が半狂乱になって男二入にしがみ付いて来た。

「ア★※○アゴ※○セー!!!」

“赤ちゃんをどこにやった!!”
もしくは“赤ちゃんを返せ!!”という意味らしき古い言葉を叫び、女性達は強い力で男にしがみついて来る。

運転しない方が全力で女達を押さえつけると、もう一人が急いで車を走らせた。

その場を離れるてしばらくすると、突如として女達はおとなしくなり、意識を失うように眠り込んでしまった・・・

心霊スポットは青姦スポット化している感はあるが、首なし地蔵の傍で行うのはヤバいという話にもなっており、地蔵が覗きに来るとか女が憑かれるとか云われていた。

詳しい歴史的な背景を伝える資料は無いが、聞くところによると地蔵が設置されたのは母と赤子の間に起きた陰惨な事件の慰霊が目的であるそうだ。

そして性交が土地に染みついている念やそこに宿る霊が持つ、悲しい想いと共鳴するらしく招霊に繋がるということらしい。

過去にあった事件を再現する舞台では彷徨える霊が集まるらしく、図らずとも事件の再現が招霊法となってしまっているようだ。

得度後に at 7:06 AM

ある宗派で得度を受けた後に、今まで無かった霊感が付いたという話。

得度とは悟り彼岸へと渡ること(涅槃に至ること)で、転じて仏門に入ることを意味するようになった。得度を受けることで俗人から僧になる。

あるお寺の息子が大学卒業後に坊さんになるための修行に入った。修行は合宿形式で行われ、歳の近い仲間が数人集まった。

坊さんの卵とはいえ若者同士、恋愛トーク等で毎晩話が盛り上がり楽しい合宿であったのだが・・・・

合宿を行った寺には修行中に自殺した若い坊さんの遺灰が納められている。自殺したのもそのお寺で、合宿修行の最中だったらしい。

度胸試しの意味もあってか、じゃんけんやトランプゲーム等で負けた人は罰ゲームとして割り箸で遺灰をかき回すという悪質な遊びを若者達はノリで始めてしまった。

最初負けた一人がやると、あとは雪崩式に。結局みんな遺灰をかき回すという僧侶にあるまじき行為を行ってしまったのであった。

その次の日から、寝る前の談話中に遺灰の主と思われる霊の声が話声に交じるようになった。

話の流れで「そういうこと俺もあるよ」「俺も(笑)」
という相槌を打つと、誰も居ないはずの空間から
「オレモ・・・」という声が響いた。声色も皆のものとは明らかに異なり、か細いが響く声であった。

若者達は流石に怖くなり、その晩は皆布団を近づけて寄り添うように寝たそうだ。

それから数日後、得度の儀式も無事に終わり、晴れてお坊さんとなったのだが、それ以来お寺の息子さんは霊体が見えるようになってしまった。

通夜の帰り道で子供の霊を見てパニックに陥った若者に
阿闍梨である祖父「この世界に入ったら普通にこういうことはあるから覚悟しておけ」と言われ、覚悟を決めたという。

一般的な話では無いが、得度式を境に霊感が付いたり、見えるようになったという話はチラホラあるそうだ。
祖父も父も霊的力が付いたのは得度を境としてのことだった。

その若者も今や霊視のようなことが出来るようになり、人の守護霊的存在が見えるという。

夢の売買 at 7:05 AM

夢の売買という呪(まじな)いの類があり、悪い夢を引き受けることになるから年明けの道に無造作に落ちているお金は無暗に拾うものではないという謂れがある。

初夢は新しい年の吉凶を判断する重要な夢として位置づけられているが、初夢が縁起の良い夢ならばとてもハッピーだがもしも悪い夢を見てしまったとしたらどうだろうか?

自分や知人に不幸が起こることを暗示する初夢では、出鼻をくじかれたようで気分が乗らないだろう。

この先、起こるであろう厄災から逃れる対処法として宝船が描かれた絵を川に流すことが有名であるが、悪い夢を他の誰かに引き取ってもらうという方法もある。

それが夢の売買で、ある手順を踏んでお金を道端にばら撒き、翌日その場所を訪れてお金が誰かに拾われていたならば夢の売買が成立し、悪い夢(悪い運勢)は拾った人の物となる。お金と引き換えに、これから起こるであろう不幸を肩代わりさせるという意味合いだ。

北条政子は妹が見た大変な吉夢を「凶夢である」とそそのかし、唐物の鏡と小袖を妹に与えることで夢を譲り受ける。これにより、妹がなるはずであった征夷大将軍の妻の座を自分の物としたという逸話があるが、この話からも夢は売買できるものと信じられていたことが窺える。

疣神様 at 7:05 AM

疣(イボ)の治療にご利益がある御神石は全国各地に存在し、疣神様の名で現在も信仰を集めている。

疣神様はときに大木のケースもあるが多くの場合は巨大な岩で、岩のくぼみに溜まった水をイボに付けると治癒の効果があると云われている。不思議なことにくぼみに溜まる水は年中枯れることが無い。

地域によって疣取りの作法は異なっており、某所では霊水を付けたら疣神様が視界に入らなくなるまで振り返ってはいけないという「見るな」の禁忌が設けられている。

石を借りて来て疣を撫でる場合には、治癒した後に石を返しに行かないと逆に撫でた箇所に無数の疣が出来てくるという話もある。

四国某所では疣の治癒後に川原で表面がすべすべした石を拾い、感謝の心を持ってお返しするのが作法となっている。

疣を引き受けてくれた代わりに、しっかり約束を守らないと倍になって返って来るということのようだ。

現代は医療が発達しているので普通の疣(イボ)であれば治療に難儀することもないが、ハイリスク型のウイルスによって生じる疣の中には子宮頚癌へと進行するものもあり甘く見れない。

そして、疣を作るウイルスと咽頭ガンの関連も疑われており、オーラルセックスで性器から咽頭・口腔にウイルスが感染して癌の原因となっているという見方もある。

現在、性行為の低年齢化と避妊具を使用しない性交によって若い女性の婦人病が増加傾向にあるというが、その陰には疣の存在があるといってよいだろう。

そのウイルスは男性器の恥垢に潜むと云われ、避妊具を使用しない直接接触によって感染する。

ウイルスのワクチンも広く普及されているとは言い難いので、世相的には疣神様のご利益に与る意義は大きいのではないだろか。