怪異を起こす下着 2010年9月10日 at 8:46 AM

某ビデオ屋兼ブルセラショップの話。

店の2階、使用済みの女性下着を扱うブルセラコーナーでは人目に付かぬよう部屋の四隅に盛り塩が置かれている。

それは頻繁に起こる心霊現象を鎮める目的で置かれているのだが一向に効果は現れない。それどころか日を追うごとに酷くなる一方であった。

ある日を境に店の2階では誰も居ないはずなのに陳列されているビデオが床に落とされていたり、深夜になると女性のすすり泣く声や囁き声が聞こえるようなったのだ。

そして2階では消臭剤を使用しているにも関わらずいつも微かな異臭が漂う。血のような生臭いにおいである。

店で心霊現象が起こるようになったのはある女学生の自殺を契機としていた。

市内の○校で自殺があったという話は広く伝わっており、仕事柄女学生事情に詳しい店員はもちろん知っていた。しかも、その女学生というのは、店に下着を売りに来ていた女の娘という話だ。

パンツを売りに来る常連の中には様々な年齢層・職業の方が居るのだが、自殺した女の娘は毎月のように経血で汚れたパンツを売りに来ていたので記憶に残っている。

おとなしそうな外見の割によくやるなあと云う感想を持っていたが、どうも自ら望んでん下着を売っていた訳ではなく、不良グループから目をつけられて下着売りを強制させられていたという話である。

自殺はイジメを苦にしたものであったという話であるから、下着売りの動機は噂の通りであったのだろう。
汚れた下着を毎月持ち込み、目線は隠しているものの商品に添えるために写真を撮られることは相当な屈辱であったと思われる。

その学生の自殺から間もなくして、店では心霊現象が起こり始めた。イジメた不良グループも当然のこと、彼女の怒りや怨念は汚れた下着を売る店と購入しに来る男性にも向いたのだろうか?

その彼女の下着であるが、需要は高かったので棚から下げる前に全て購入されてしまっていた。
彼女の下着は既に店には無いのだが、無人の2階からは女性の声が聞こえたりラップ音が響き渡る怪異は続いていた。

盛り塩やお札を貼っても効果は現れず、ブルセラコーナーからは陰気な雰囲気と異臭が相変わらず漂っている。

怨念はブルセラコーナー一帯染みついているらしく、主力の収入源ではあったが霊現象に耐えかねてコーナーの全てを撤去してしまった。撤去後、陰気な雰囲気は拭われて怪異は収まったという。

ただ、彼女の怨念・悲しみが詰まった下着は今だ購入者の手にあると思われる。物凄い怨念のこもった経血付き下着、それを所有していて果たして無事なのだろうか・・・


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