未来のパン 2010年9月16日 at
8:55 AM
あるパン工場でのとある日の事、従業員達は前日より準備に追われていた。
その日は外部監査が入る日で、指摘箇所や不適合が無いよういつも以上に衛生安全面に気を遣っていた。
大体いつも監査員の視る所は決まっており、工場関係者以外は立ち入れないゾーンも存在するのでコースも限定されている。
監査の1日の流れをよく知っている先輩社員ならそうそうボロは出さないものだが、経験の浅い新人が致命的なミスを犯してしまう。これにより企業のトップシークレットである「未来のパン」存在が明るみに出てしまった。
外部の人間が立ち入る際、「未来のパン」を関係者以外立ち入れないゾーンに保管するのだが、新人はいつも通りに運搬待ちのパン達がひしめき合う保管場所に送ってしまったのだ。
これが運悪く監査員の眼に届き、関係者の間では有名な話となってしまったのだった。
・・・未来のパンとはパッケージの製造年月日に2~3日後の日付が刻印されているパンのことである。
「あそこのように大きなパン屋さんでは未来のパンを作れるようですが、うちは小さいので現在のパンしか作れません」
某食品メーカーの就職説明会にて高齢の社長が皮肉交じりに言うそうだが分かる人にしか分からない。
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硫黄島の砂 2010年9月15日 at
8:53 AM
大戦時、硫黄島では日米多くの戦死者を出したことで知られる。
現在自衛隊の基地が設けられているが、隊員の間で幽霊が出るという話が多く伝えられている。島での霊の出現は昼夜問わないらしく、鎮めるために行われる慰霊碑への水の御供えは毎日怠らないという。実話都市伝説著実話都市伝説著実話都市伝説著
そんな硫黄島の砂は、本土に持ち帰ってはいけないという決りがあるらしい。どうも実際にその規則はあるしく、訓練で訪れた隊員が帰還する際、航空機に乗り込む前には「砂を払ってから乗れ」という指示が出されるという。
なぜ持ち帰ってはいけないのか?これについて語られる理由は諸説あり、大戦中に米軍が持ち込んだ外来種の凶暴なアリの侵入を防ぐという防疫上の理由説
別の説としては、激戦地であったことに由来している。多くの戦死者を出したこともあり、砂には多くの血が染み込み、目には見えぬ形で人骨も混じっている可能性がある。そんな激戦地の砂を記念に持ち帰ったりするのは不謹慎であるという倫理的理由説、などが挙げられる。そして、砂を持ち帰ると兵士の霊が出現したり、霊障に遭うという話も伝えられているが、明確な理由は定かではない。
硫黄島は鶉石(うずらいし)という白と黒のコントラストが美しい、世界的に見てもた珍しい石を産している。石の収集家にしてみれば、硫黄島に訪れる機会があったならば是非ともコレクションに加えたい品であろうが
「砂を持ち帰ると霊障がある」という噂を思いだして収集するのにためらいが生じるらしい。
これと対照的なのが米国。お国柄か、捉え方が異なるのかは分からないが、硫黄島の石砂がアメリカの某所のお土産屋さんで売られているらしく、アメリカ旅行で訪れて、商品として売られていることに憤慨する方は少なくない。硫黄島に対する国間の捉え方には、温度差があることは確かである。
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海での禊ぎ 2010年9月14日 at
8:53 AM
某地域では少年騎手が着飾った馬に乗り、境内を駆け巡る祭事が行われている。ちなみに馬の轡(クツワ)を取るのは大人の役目である。
祭事にあたっては前もっての準備が必要で、参加する者(大人も子供も)はある期間中に海で禊を行い、神社に参拝することで身を清めなければならない。この間、厩舎にも海の水を使い、清めが行われる。
お祭りが開催される時期は真夏ではないため、その時期に海に入ることはそれなりに身にしみる行為である。最近の親は過保護な面があり、子供に寒い思いをさせたくないので海での禊をちゃんとやらせなかったり、省略させたりすることがあるらしい。
一方で、伝統的に決っていることと、不敬にあたるという思いから、禊を省略させることに賛同しない大人も多い。
冷たい海に我が子を入れたくないという、子供の身を案じての親心なのだろうが、身の清めはしっかりと行うべきらしい。騎手は道を一気に駆け抜ける。その様子はまさに勇壮である
祭事で馬と騎手は道を一気に駆け抜ける。その様子はまさに勇壮である。
ときに馬同士が競り合う場面も見られ、その際に馬がコースを外れたり、騎手が落馬したりと危険と隣合せの一面もある。怪我と言っても軽い怪我であり、大事には至ることは無いのだが・
そして、なぜか落馬して怪我をするのは海での禊を怠った子供に多いという話である。怪我と言っても軽い怪我であり、大事には至ることは無いのだが・・・
前準備を省略するということで、気構えに緩みがあったという側面ももちろんあるだろう。しかし、海での清めを怠ったことに起因しているのでは?と考える人は少なくない。
伝統的に行われる事前の準備(禊)にはそれなりの理由があると思われる。
本当に子供の身を案じるならば、寒い思いをさせてでも海での清めをしっかり行い、清い身で祭事に臨ませるべきなのだろう。
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かがみをふいて 2010年9月13日 at
8:50 AM
「かがみをふいて」
その言葉を聞いてからは部屋の鏡を綺麗に保つようになった。
・・・・夜ごと枕もとに立つ人影がぶつぶつと何か
呟いている。髪が長いので女性と分かるのだが、その声色は変声機を通したかのような男女の区別が付かないこもった声だ。
「か・・・・がみ て」
金縛りの中で聞こえてくるのは何やら鏡という単語らしく、女がしきりに呟いている。
「か・・がみ・・ふいて」
囁きに耳を傾けて恐怖で体を強張らせていたが、いつの間にか朝を迎えていた。
思い当たる節はある。
若者は女の影が枕もとに立った夜、仲間と心霊スポットを荒しに行ったのだ。出ると云う噂の廃屋を荒しまわったのだ。
女は次の日も、その次の日も枕もとに立った。
「かがみをふけ」
今度はテープの早送りのような早口で甲高い声で言う。
「かがみをふけ」「かがみをふけ」「かがみをふけかがみをふけ」
思わず耳を塞いだ、と気づけば体が動く。勢いよく布団を被って耳を塞ぎ、恐怖で震えていた。
「かがみふけかがみふけかがみふけかがみふけ」
狂ったように枕もとで囁いている。
耐えられず寝巻のままで家を飛び出し、明るくなるまでコンビニで時間を潰した。
「一体何なんだ」
朝を迎えた部屋に女はもう居ない。職場へ行くために素早く着替えて洗面所へ向かうと、確かに鏡は白い汚れが付いている。気が付くと顔を拭くタオルで必死に鏡を磨いていた。
偶然かは分からないがその日の夜、女は現れなかった。
それからというもの鏡の汚れが異常に気に掛り、どんな小さな汚れも綺麗に拭き取るようになった。
一度気が付き出すと全ての些細なことが気になるようになり、衣服や布団に発生した小さな毛玉を全て取り除かなければ寝れぬようになってしまった。
特に就寝前、布団にできた小さな毛玉がトゲのようにチクチクして感じて、全て取りきらないと気になって眠れないのだ。
その日も眠れない毛玉取りの夜を過ごしていると、突然女が現れて、若者に微笑みかけて消えって行った。
これはヤバい感じた若者は神社でのお祓いを受け、病院に通院するようになった。
通院の甲斐あって毛玉こそ以前ほどは気にならなくなったが、若者の部屋の鏡はいつも驚くほどに綺麗に保たれていた。
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骨董の鏡 2010年9月12日 at
8:49 AM
ある年代物の鏡、それも金属で出来ている映りの悪い薄汚れた鏡がとある骨董品屋の店主が出してきた。
「実は盗品らしいのですが・・・・」そう言って、その鏡が店主の手に渡った経緯を語りだした。
知り合いにいつも儲け話や骨董を持ってくる、相内という名の男がいて、彼がある日また店主の所にやって来てこう言った。
「すぐに金を工面しなければならなくなった、どうかこれを買い取ってくれないか?10万でいいから!頼む!」そういうと古い鏡を出して、店主に見せてきたという。
鏡はかなり良い品で骨董としても価値があり、10万円という値は当時の金銭的価値からしても格安だった。どうしてこんな物をお前が持っているのかと尋ねると、「詳しくは聞かないでくれ、何も言わずに買ってくれ!」の一点張り
盗品であることは直感として分かったという。盗品であったとしても店主にとっては悪い話ではないし、警察に挙げられても知らなかったと言えばそれで済む、そう自分に言い聞かせて鏡を相内から買った。
そして相内が行方不明になっているという話を聞いたのは鏡を買ってすぐのことである。そして相内が神社の御神体盗みや墓荒らしのグループに加わっていたことも合わせて知った。
そしてとある村で御神体が盗まれ騒ぎになった事知った。その村で盗まれた御神体が、相内が持ってきた鏡であるかどうかは店主には分からない。
ただ今鏡の処理に困っているという。店主は一度は御神体が盗まれた村に問い合わせ、鏡が盗まれたものかを確かめようかと思ったが、それはしていないという。しようと思ったけど怖くて出来なくなった。
例の村で地すべりが起きて大変な被害が出たためだ。祟り、もしくは御神体を失った神社に村を守る力がなくなったために地すべりがおきたのではないか?そう考えてしまい、盗品かどうかの真相を知るのが怖いという。
相内も以前、行方不明。店主は今は精神を病んで店をたたんでいる。店をたたむ際、骨董を扱う別の業者に鏡は流れていった。
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