ある年代物の鏡、それも金属で出来ている映りの悪い薄汚れた鏡がとある骨董品屋の店主が出してきた。 「実は盗品らしいのですが・・・・」そう言って、その鏡が店主の手に渡った経緯を語りだした。 知り合いにいつも儲け話や骨董を持ってくる、相内という名の男がいて、彼がある日また店主の所にやって来てこう言った。 「すぐに金を工面しなければならなくなった、どうかこれを買い取ってくれないか?10万でいいから!頼む!」そういうと古い鏡を出して、店主に見せてきたという。 鏡はかなり良い品で骨董としても価値があり、10万円という値は当時の金銭的価値からしても格安だった。どうしてこんな物をお前が持っているのかと尋ねると、「詳しくは聞かないでくれ、何も言わずに買ってくれ!」の一点張り 盗品であることは直感として分かったという。盗品であったとしても店主にとっては悪い話ではないし、警察に挙げられても知らなかったと言えばそれで済む、そう自分に言い聞かせて鏡を相内から買った。 そして相内が行方不明になっているという話を聞いたのは鏡を買ってすぐのことである。そして相内が神社の御神体盗みや墓荒らしのグループに加わっていたことも合わせて知った。 そしてとある村で御神体が盗まれ騒ぎになった事知った。その村で盗まれた御神体が、相内が持ってきた鏡であるかどうかは店主には分からない。 ただ今鏡の処理に困っているという。店主は一度は御神体が盗まれた村に問い合わせ、鏡が盗まれたものかを確かめようかと思ったが、それはしていないという。しようと思ったけど怖くて出来なくなった。 例の村で地すべりが起きて大変な被害が出たためだ。祟り、もしくは御神体を失った神社に村を守る力がなくなったために地すべりがおきたのではないか?そう考えてしまい、盗品かどうかの真相を知るのが怖いという。 相内も以前、行方不明。店主は今は精神を病んで店をたたんでいる。店をたたむ際、骨董を扱う別の業者に鏡は流れていった。
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テレビは時に霊界との接点となり生ける者にコンタクトを取ろうとする。 砂嵐の中に突如ゴミ処理場などの映像が流れ、 「明日の犠牲者は以下の方々です」 というテロップとともに明日故人となる予定の人物名が延々と流れる・・・という話は有名である。 しかし、霊感を持つ方が視聴した訃報ニュースは少し違っていた。 深夜帰宅し、テレビを見ていたがいつの間にかうとうとしており付けっぱなしで寝入ってしまった。 しばらくしてふと気が付くとニュースキャスター(男性)があり得ないことをしゃべっている。 「明日のお亡くなりになるのは××○○さんです」 「明日のお亡くなりになるのは××○○さんです」 それを繰り返している。 「これはヤバい」とテレビを見ないようにしていると しゃべる内容が変わって行き 「××○○さんはもう死にましたか?」 「××○○さんはもう死にましたか?」 予言的内容から視聴者に問いかける形になっていった。 キャスターが言う「××○○さん」はまったく聞いたことが無い名前である。 訃報を伝えるニュースが怖くて仕方がないのだが、テレビを消す勇気もなく黙って聞いているしかなかった。 「応答がありませんねえ」 キャスターは中継の不具合の時のようなコメントを言うと 「××○○さんは明日死ねばいいなあ」 そう呟いてニュース番組は突如終了し、砂嵐に戻ったそうだ。
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某ビデオ屋兼ブルセラショップの話。 店の2階、使用済みの女性下着を扱うブルセラコーナーでは人目に付かぬよう部屋の四隅に盛り塩が置かれている。 それは頻繁に起こる心霊現象を鎮める目的で置かれているのだが一向に効果は現れない。それどころか日を追うごとに酷くなる一方であった。 ある日を境に店の2階では誰も居ないはずなのに陳列されているビデオが床に落とされていたり、深夜になると女性のすすり泣く声や囁き声が聞こえるようなったのだ。 そして2階では消臭剤を使用しているにも関わらずいつも微かな異臭が漂う。血のような生臭いにおいである。 店で心霊現象が起こるようになったのはある女学生の自殺を契機としていた。 市内の○校で自殺があったという話は広く伝わっており、仕事柄女学生事情に詳しい店員はもちろん知っていた。しかも、その女学生というのは、店に下着を売りに来ていた女の娘という話だ。 パンツを売りに来る常連の中には様々な年齢層・職業の方が居るのだが、自殺した女の娘は毎月のように経血で汚れたパンツを売りに来ていたので記憶に残っている。 おとなしそうな外見の割によくやるなあと云う感想を持っていたが、どうも自ら望んでん下着を売っていた訳ではなく、不良グループから目をつけられて下着売りを強制させられていたという話である。 自殺はイジメを苦にしたものであったという話であるから、下着売りの動機は噂の通りであったのだろう。 汚れた下着を毎月持ち込み、目線は隠しているものの商品に添えるために写真を撮られることは相当な屈辱であったと思われる。 その学生の自殺から間もなくして、店では心霊現象が起こり始めた。イジメた不良グループも当然のこと、彼女の怒りや怨念は汚れた下着を売る店と購入しに来る男性にも向いたのだろうか? その彼女の下着であるが、需要は高かったので棚から下げる前に全て購入されてしまっていた。 彼女の下着は既に店には無いのだが、無人の2階からは女性の声が聞こえたりラップ音が響き渡る怪異は続いていた。 盛り塩やお札を貼っても効果は現れず、ブルセラコーナーからは陰気な雰囲気と異臭が相変わらず漂っている。 怨念はブルセラコーナー一帯染みついているらしく、主力の収入源ではあったが霊現象に耐えかねてコーナーの全てを撤去してしまった。撤去後、陰気な雰囲気は拭われて怪異は収まったという。 ただ、彼女の怨念・悲しみが詰まった下着は今だ購入者の手にあると思われる。物凄い怨念のこもった経血付き下着、それを所有していて果たして無事なのだろうか・・・
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「梅は食うても核(さね)食うな。中に天神寝てござる」 生梅の種には青酸化合物が含まれているので食べるなという戒めとされる。 塩漬け梅ではほぼ無毒化されるので種の中身(仁)を食べても問題ないと言うことであるが、ときに梅の種は神聖視されて粗末に扱うことを禁忌とする意識が日本人にはある。 海で漁をする際、梅干しの種を海に捨てることは不吉とされ、海が荒れたり不漁となると信じられている。 種の中に天神様が宿っているので、それ自体を捨てる不敬により罰が当たる。または、女神とされる海神と男神である天神様との交わりにより高い波が産まれると云った話が伝えられている。 このジンクスは、海での遭難時には水に飢えることとなるので、梅干しの種を捨てずに持っておけばいざという時に渇きをしのげるという実用的な意味合いが大きい。 とにかく梅の種を粗末にすること自体が良くないことであるらしく、ガリっと噛んで仁を食べることは最大級の禁忌であり、ときに神罰さえ与えられかねない、そう信じられている地域も存在する。 言い伝えを端から馬鹿にして掛る威勢の良い男が、酒の席でとんでもないことをしてしまう。 「梅の種だぞ?何が怖いことがあるんだ!!」そう言って神棚に祀ってある梅の種を口に含むと“ガリっ”と噛み砕いて畳の上に吐き捨てたのだ。 この行いが祟ってか、男は翌日から原因不明に病に罹り病床に伏すことになった。 医者にかかると医学的見地からはどこにも異常は無いということであるが、どうにも調子が悪い。 障りがあったことは明らかであったため、集落の巫女(ふじょ)に見てもらうことにした。 すると、梅の種に宿る神霊が巫女の口から酒の席での不敬に対して怒っているという旨が伝えられた。 男は儀式の中で心の底から自分の不敬を詫びたところ、一晩寝て目が覚めると嘘のように元気を取り戻した。
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